こんにちは、あきほ(@arkeninger)です。
今回はMAZDA 2（マツダ2）について書いてみます。
普段僕が乗っているのはこのブログでも紹介しているアテンザ（現MAZDA 6）なのですが、実は先日もらい事故に遭いました。
現在はディーラーに預けて修理中です。幸いぶつかった時の勢いが弱く、大きな故障ではないので、バンパーとその周りのパーツを交換することになっています。
さて、その間の代車として貸し出されたのがMAZDA 2でした。
最新のフェイスリフト後のモデルではありませんが、比較的新しい年式のモデルです。
うちでは妻もMAZDA 2に乗っています。たぶん今回の代車とほぼ同じ年式です。
妻の車ですが僕が運転する機会もちょくちょくあり、乗るたびに「良いクルマだなぁ」と感心するのですが、今回の代車はそんなMAZDA 2のベースモデル。
素のMAZDA 2の味わいを、せっかくなのでレビューしてみます。
今回の車両はベースモデルなので装備は控えめ
ここはまあ、代車なので仕方がない部分です。ヘッドアップディスプレイも付いていませんし、クルーズコントロール機能もありません。それに、ヘッドライトの自動制御もハイ・ローの制御のみで、対向車や前走車のところだけをピンポイントでローにする機能（ALH: アダプティブLEDヘッドライト）も付いていません。
これらの機能は実際、非常に便利です。
特にヘッドアップディスプレイやALHは一度味わってしまうと無かった頃には戻れません。迷わずこれらが装備されるグレードを選ぶべきという装備になります。
まっすぐ走る力
MAZDA 2は走りがいい。
妻の車でも感じましたが、今回のベースモデルでもやはり同じように感じます。
まず、ステアリング（ハンドル）のセンターがビシッと決まっています。
まっすぐ走っている時にふらふら動きにくく、とても頼もしい安定感があります。
会社で他のメーカーのコンパクトカー何台かに乗ることがありますが、この安定感はMAZDA 2が一番だと思います。
そして、その安定してまっすぐ走る力はカーブや交差点を曲がる時にもいい働きをします。
ハンドルを切った時に発生する、横に進路変更しようとする力と、元々のまっすぐ走ろうとする力が非常に高度なバランスで拮抗して、車体の姿勢を安定させたまま気持ちよく曲がり、再加速できるんです。
ハンドルにもしっかり手応えがあり、それがまた心地いい。
まっすぐも、曲がるのも、思い通りにいきます。
とても安定していて、予想外の動きが出にくい。思った以上に横に揺すられるようなことが全然ないんですね。
運転操作が上手な人でなくても、ごくごく自然に走りこなせる。だから疲れにくい。
MAZDA 2はそんな走りを見せます。
マツダにはGベクタリングコントロールPLUSという、走りを安定させる緻密なエンジン制御があります。上記はこのGベクタリングコントロールPLUSの働きがかなり大きいです。見事というほかありません。
感覚的には、もうひとクラス上のクルマに乗っているかのようです。
クルマと路面と繋がっている
アクセルペダルを踏むとエンジンが回転数を上げてタイヤが回り、前に進む、加速する、というのはどのクルマでも同じです。
でも、僕がよく乗る会社の車（MAZDA 2と同じコンパクトカーですがメーカー・車種は伏せます）では、アクセルペダルを踏む自分の足と、エンジンが回転数を上げてタイヤを動かし前に進むというのが、なんだか切り離されたような感覚があって、どこか違うところで起こっている出来事のように感じます。
結果的に車は加速するんですが、感覚的にクルマが自分の操作に対してちゃんと返事をしてくれている感じがあまりしません。
MAZDA 2はその点、自分の足とアクセルペダル、エンジン、タイヤ、路面までがひと繋がりになったように感じます。自分の操作の意図した通りの反応を素直に返してくれます。
ペダルを踏んだ時に想像する通りの加速感があり、それが大きすぎも小さすぎもしません。
これは自分のアテンザでも感じていることですが、もっと小型のMAZDA 2でも同じようにできているのはすごいですね。
もちろんアテンザと比べれば小型で価格も安い車ではありますが、乗っている時の感覚はアテンザにかなり近い部分があります。
見た目が似ているというだけでなく、MAZDA 2はそういう意味でもベイビーアテンザ、ベイビーMAZDA 6なんだと感じます。
扱いやすいブレーキ
個人的に、MAZDA 2の何に最も感心するかと聞かれたら、ブレーキだと答えます。
MAZDA 2のブレーキは本当に良くできた、扱いやすいブレーキです。
ただ効きがいいというのではなく、小さく浅く踏んだ時には弱い制動力がかかり、車が安定した姿勢を保ったままスピードを落とします。大きく強く踏み込むと、しっかりと強い制動力がかかり、ぴたりと止まってくれます。
上記は当たり前の事のようにも思えますが、ブレーキを踏み込む量に応じて意図したとおりの制動力を発生させて止まるという制御ができるクルマって、実は多くないんです。
よくあるのは途中までは全然効かず、あるところまで踏み込むといきなりぎゅうっと強力にブレーキがかかってしまうタイプ。『強いブレーキでしっかり止まる』という見方をすれば悪くないように思えますが、実際はいきなり思った以上に減速してしまったり、そのために体が揺さぶられたりしがちです。また、カックンブレーキになりやすいですし、意図したところよりも手前で止まってしまうこともあります。
MAZDA 2はブレーキを踏み込む量とブレーキのかかる強さが比例するので、そういうことが起こりません。例えば停止線の手前で『このくらいの距離でこのくらいスピードを落としながら、最終的にあそこで止まろう』と思った通りに止まることができるんです。
上でも書きましたが、自分の操作の意図と実際のクルマの動きに齟齬がないというのは、それだけ自然体で運転できるということ。運転していて疲れにくいということ。
ただ、いきなりぎゅうっとブレーキがかかる他のメーカーのコンパクトカーと乗り比べると、はじめは『MAZDA 2は全然ブレーキ効かないじゃん、危ないなあ』なんて思うかもしれませんね。
でも違うんです。過剰な演出がなくて踏んだ分だけ素直に効く、操作に対して忠実な優等生なブレーキなんです。
車内空間はライバルより狭い
ここまでで書いたように、MAZDA 2は走りに関して本当によくできたクルマです。もうひとクラス上の車に乗っているかのようにも感じますし、走る、曲がる、止まるといったクルマとしての基本性能がとても高いです。価格に対してそうした性能がかなり高いので、すごくお買い得感があります。
では、MAZDA 2が決してライバルに敵わないものは何でしょうか。それは車内空間の広さです。
包まれ感がある運転席は、逆を言えば決して広々としてはいませんし、後部座席の広さも他メーカーのコンパクトカーの方がやや広いです。
ラゲッジルーム（トランク）も同様。買い物かごや折り畳んだベビーカーは当然乗りますが、それ以外の荷物も常にたくさん載せたいから少しでも広い方がいいというニーズがある方には、MAZDA 2は向かないでしょう。
あと、運転席からフロントガラスまでの距離も他メーカーのコンパクトカーの方が余裕があります。個人的には、そこが広くても仕方がないんじゃ……と思ってしまいますが、比べた時に圧迫感を感じやすいのも事実でしょう。
個々の要素が目立つのではなく、基本がしっかりしているデザイン
そうした車内空間の広さを割り切る代わりに、MAZDA 2が得たもの。それがデザインの良さです。
どういう線が入っているとか、奇抜な形をしているとか、流行りのライト形状とか、そういうものに頼らなくても基本のカタチがまず優れています。それがあるからこそ、その上にシンプルな要素を積み上げて、端正なバランスのいいデザインが出来上がっています。
もちろん好みもあるでしょうが、MAZDA 2の格好よさと可愛さがブレンドされたデザインはとても優れていると言えますし、車格以上にギラついていないのも好感が持てます。いわゆる『やりすぎているデザイン』って、安っぽく見えますしね。
デザインが気に入ってMAZDA 2が気になっている方なら、上で書いたように走りについては満足できると思うので、買いだと思いますよ。
また内装についても、同価格帯のクルマの中ではかなり質感が高いほうだと思います。
車内空間の広さを求めないなら、総合力は高い
というわけで、MAZDA 2のレビューでした。
今回、代車でしたがベースモデルのMAZDA 2に乗れたことで、その素性の良さと言いますか、基本的な性能の高さを再確認することができました。
全体としてドライバーの意図に忠実で予想外の動きが出にくい、とても優等生なクルマです。疲れにくいですし、買い物や通勤といった日々の足にも充分お勧めできます。
一方で車内空間だけはどう足掻いても他メーカーのコンパクトカーに敵わないので、そこを重視するかどうかが選択のポイントになります。検討している人は試乗してみて、狭いと思うなら一度立ち止まって考える方がいいかもしれません。別にこれなら気にならないなと思うのであれば、有力な候補になるでしょう。
はじめの方でも書きましたが、購入の際は対向車や前走車のところだけをピンポイントでローにするヘッドライト機能（ALH: アダプティブLEDヘッドライト）やヘッドアップディスプレイがついたグレードを強くお勧めします。
ただでさえ高い基本力にこうした快適装備がついてこの価格というのは、とてもいい買い物だと思います。
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