スポンサーリンク
こんにちは、あきほ(@arkeninger)です。
今回はタイトル通りKindle Unlimitedで読める個人的におすすめの百合小説作家さんと、その作品を2つ紹介します。
綾加奈 先生
Kindleで百合小説をいくつも出している作家さんです。『あやかな』と読むのかな。
一応アマチュア作家、あるいはインディーズ作家、同人作家という枠に入るのでしょうか? 個人でも作品を出すハードルが低いのは電子書籍の良いところですね。おかげで好きになれる作家さん、作品と出会えるんですから。
代わりに、作品中に時々誤字がありますが、そこは個人であるがゆえ、編集社の校閲を受けていないのでご愛嬌といったところでしょう。
札幌出身だそうで札幌を舞台にした作品が多く、特徴的な一人称視点の文体は親しみやすいので軽い感覚で読むことができる一方で話が進むにつれ没入感も強くなり、引き込まれる感覚があります。
また物語の緩急の付け方がとても魅力的で心地よく、クライマックスに向けて加速してくると読むのが止まらなくなります。
今回は特に個人的に気に入っている2作品をご紹介します。極力ネタバレしないようあっさりめの紹介になりますが、どちらも非常に好きな作品です。
『アナタコンプレックス』
タイトル通り”コンプレックス”が鍵となる作品。話の筋自体は奇をてらわず、王道にも近しいガールズシップ・ストーリーのそれですが、綾加奈先生の持ち味の一人称視点が非常に上手く活きて物語にダイナミズムを与えています。
この作品は大きく3つの章に分かれているのですが、第2章に入った途端一気に展開の広がりを見せます。あっという間に引き込まれました。さらに話が進むにつれて展開が加速していき、急転直下の結末に至ります。途中はやきもきさせられますが読後感はなんとも晴れやか。
それぞれの章が「序」「破」「急」を構成しており、まさに序破急構成のお手本のような手堅さを感じる作品です。登場人物の配置がシンプルなこともあってとても読みやすく、百合小説の入門編にちょうどいいかもしれません。
『青春は白百合の花束』
こちらは同じ舞台で繰り広げられる3つの物語を収録した短編集です。短編集といってもそれぞれの話でキャラクターや物語の背景が共通なので、3部作といったところ。1話目がまずあって、それを受けて2話目が発生する、といった具合です。
この本の魅力は3つの物語それぞれで全く違った空気を纏っているところにあります。
1話目は王道のガール・ミーツ・ガールであり、2話目、3話目へと発展する伏線を散らしながらも全体的に甘く牧歌的な青春を思わせる物語です。読んでいるだけで甘い香りが漂ってきそう。後半に向かうにつれ物語も勢いを増していき、クライマックスのシーンは胸が熱くなる展開。またその表現もまるで映像が鮮明に見えるようでした。
2話目はそこから不意を突くような暗く黒く、ドロドロとした感情が渦巻く物語で、毒を食らうような作品。しかし毒々しさの突き抜けた先ににわかに訪れる穏やかさは見事です。3つの物語のうち最も印象深いかもしれません。
3話目は少し方向性が変わって、爽やかな風を吹かせる成長と友情の物語。最も青春しているかもしれません。そしてこの3話目自体もまた、別の物語を展開させる下地になっているようです。おそらくこの3話目の後の話があるのでしょう(僕はまだ現時点で綾加奈先生のすべての作品を読んではいないので、すでに刊行されているのかまだ執筆されていないのかは分かりません)。
3つの物語それぞれが違った形の青春が咲く百合の花であり、それらを束ねた短編集が『青春は白百合の花束』ということで、非常に綺麗にまとまっている作品です。
Kindle Unlimitedなら読み放題
この記事を書いている2019年11月現在、綾加奈先生の作品はどれもKindle Unlimitedの対象となっていて、Unlimitedに加入していれば読み放題となっています。登録がまだの人は上のバナーからどうぞ。月額980円ですが最初の1ヶ月は無料で、更新しない設定にしておけば課金されなくなります。
ただ、Unlimitedに加入していなくても価格はたった500円です。話のボリュームも内容も価格に対して充分ですし、定価で買っても全然いいなと思います。
アマチュアとかインディーズの作品って、いざ購入するとなると踏ん切りがつかないことも多いですが、個人的にはとてもおすすめできる作家さん、2作品です。
僕のオリジナル百合小説もあります。
僕も百合小説を書いていまして、拙作『黒鷺は花を食む』『ブレンドと春霞』をKindleストアで販売中です。
こちらもKindle Unlimitedの人は無料で読めます。購入するならそれぞれ460円です。おかげさまでご好評をいただいています。
もしよろしければぜひご一読ください。
スポンサーリンク