Cクラスの洗車をしていて気づきましたが、フロントガラスの両端、Aピラーの箇所は、なんだか少し不思議な形状をしています。
ガラス面よりもピラーのほうが盛り上がる形で、樹脂パーツがレールのように敷かれています。
前車 マツダ アテンザはガラスとピラーがツライチだったので、初め少し不思議に思いました。
調べてみると、これは空力をよくするための工夫なんですね。
走行中、フロントガラスに当たった風が横に流れるのを防ぐために、このような形状をしているようです。まさに風を狙ったとおりに流すためのレールというわけです。
フロントガラスに当たった風が、このレールに沿って車体上方に流れてくれれば、フロントガラスからスムーズに繋がるルーフラインを伝ってトランクに降り、綺麗に流れて行ってくれます。
また、上方に流れた風は、ダウンフォースを生んで車体を路面に押し付け、グリップを増す効果も期待できます。
もしこのレールがないと、フロントガラスに当たった風が横にも押し出されることになるので、車体側面に流れます。
しかし側面はガラス面と角度がありますし、気流がボディから剥離し、乱流となって車体を引っ張る余計な力が発生してしまいます。
こうした細かな設計の積み重ねが、Cd値0.24という優れた空力特性に繋がるのでしょう。
市街地での常用域の速度帯なら体感的にはほとんど変わらないのでしょうが、高速道路や本国のアウトバーンでは、こうした構造の差が安定性の大きな差につながるのでしょうね。
メルセデスはCクラスだけでなく、現行のEクラスなど、他の車種でも同様の構造をしています。
また、観察してみるとトヨタや日産の一部車種でも、同様の構造をしていることに気付きます。
今後、特にEVを見据えてクルマが進化していく中で、きっとこうした工夫も一般化していくのでしょうね。
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