こんにちは、あきほ(@arkeninger)です。
今回は電気自動車、EVを選択することについてです。
ちなみにこの記事の執筆は2024年11月であることを特筆しておきます。
結論から言って、一部の条件に当てはまる場合を除いて、多くの人にはまだ時期尚早と言えます。
今回はその理由を、特に航続距離の観点から考えてみましょう。
カタログ値はどうせあてにならない
最近はEV、電気自動車の航続距離も、以前と比べたら伸びてきました。
カタログ上の航続距離は、売れ筋のモデルでだいたい500km前後とか、高級ラインでは600km台くらいから700kmちょっとくらいのものが多いです。
しかし、実際の使用ではそれらの数値をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
エアコンを使用し、快適な加速で「普通に」運転した場合、多くの電気自動車の実際の航続距離は300km台後半〜550kmくらいとなります。
冬場はさらに短くなるかもしれません。
また、リチウムイオン電池は経年劣化もしますから、新車の頃はまだよくても、10年後も同じようにとはいきません。
(もちろん内燃機関も使用を続けていると燃費が多少悪化しますが、リチウムイオン電池の劣化はその比ではありません)
一方、従来の内燃機関車は、通常の使用で600km以上、燃費の良いモデルでは1000km以上の航続距離を誇ります。
この差は、長距離ドライブを考える際に大きな意味を持ちます。
街中のチョイ乗りや通勤、少し遠出してもせいぜい郊外まで行って帰ってくるだけという用途なら全然問題ないのですが、僕のようにロングドライブで旅するのが好きだったり、たまに高速道路を使って旅行すると言った場合には話が変わってきます。
電池残量を気にせず乗れるのは、せいぜい片道150km程度のドライブまででしょう。
僕のように頻繁に片道250kmくらいまでのドライブに行くとなると、帰り道の電池残量が心許なくなってしまいます。それを避けようとすると途中で充電する必要が出てくるので、旅行のコースや時間の使い方に制限が出てしまいます。
そうした段取りも旅行の楽しみのひとつと割り切って考えられるならいいですが、自由にいろんなところを回りたい僕のような人や、クルマによって制限を受けたくない多くの無関心な人には向いていません。
ドライブが不安との闘いになってしまう
航続距離の問題は、単なる数字の問題だけではありません。電気自動車では、バッテリー残量を常に気にしながらの運転を強いられます。
そうすると、楽しく運転するとか旅を楽しむといったことが二の次になってしまいます。せっかくパワフルなモータートルクで素晴らしい加速が楽しめるクルマだったとしても、気持ち的にそうはできず、エコ運転を強いられてしまいます。
内燃機関車であれば、燃料が少なくなった時に近くのガソリンスタンドで少量だけ給油することも可能です。しかし、電気自動車の場合、そのような柔軟な対応が難しく、充電には相当の時間がかかります。
向き・不向きの問題
なにも電気自動車自体がダメというわけではないのですが、現状の電気自動車では、ロングドライブに関しては不向きと言わざるを得ません。
多くの人は一台の車で通勤からレジャー、帰省までまかないたいものですし、そうなるとどんな使い方にも対応できる車である必要があります。そう考えると、電気自動車では不便に感じる場面が必ず出てきてしまうわけですね。
一方で胸のすくような加速が味わえたり、自宅充電により日々ガソリンスタンドに通う必要がなかったりと、電気自動車には良いところもたくさんあります。今後何十年という単位で見れば、主流になっていくのは間違いないでしょう。
それでも現時点では、上記のような課題があるので、誰にでもおすすめとは言えません。
誰にでもおすすめと言えるようになるのは、もっと技術が進歩して、航続距離が実質的に内燃機関車と同等になってからでしょう。いえ、旅路の途中での充電が給油よりも気を使うぶん、内燃機関車以上に長い航続距離が求められるかもしれません。
いずれはそうなっていくのでしょうが、今はまだです。だから、自動車を全方位的に使いたい多くの人にとって、EVはまだ時期尚早なのです。
EVは誰に向いているのか?
電気自動車が実用的でないというわけではありません。
僕自身、所有はしていないものの、何車種かには乗る機会があって、その良さは分かっています。
具体的に、EVをお勧めしたいのは次のような人です。
- 通勤や買い物など、街中や郊外での日々の移動にだけ使えればいいという人
- 家族の2台目として使用する想定など、ロングドライブの際は別の車の用意がある人
- 自宅に充電環境がある人
- 車を数年以内に次々買い替えていくスタイルの人
こうした人にとっては、EVはむしろ最適な選択と言えます。
技術の進歩に期待したい
おそらく、カタログ値で1200km以上の航続距離を実現できる電気自動車が登場すれば、シビアコンディション下でも現在の内燃機関車と同じような感覚で運転できるようになるでしょう。
しかし、そのためにはバッテリー技術のさらなる革新が必要です。
現時点では、僕を含め多くの人にとって、従来の内燃機関車の方が現実的な選択肢でしょう。
僕も次の車の買い替えを数年後くらいに考えています。その際にEVを選ぶつもりは、今のところありません。
でもその10年くらい後、また乗り換えを検討する際には、EVがきっと強力な候補になっているだろうな、と予想しています。その間には技術の革新があることを期待しています。
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