メルセデスの車載システムMBUXには、ルーティーンという便利な機能があります。 これはiOSのショートカットアプリやアレクサの定型アクションに似た機能で、「実行条件」と「アクション」をあらかじめ設定しておくと、「実行条件」を満たしたときに自動で「アクション」を実行してくれる機能です。
たとえば、車内の温度を条件にしてシートヒーターやベンチレーションを起動するように設定しておくと、非常に快適です。一度使うと手放せない機能です。
帰宅時ルーティーンの設定
さて、そのルーティーン機能でもうひとつ重宝しているのが、「位置情報:自宅」を実行条件にして、「スライディングルーフとルーフブラインドを閉じる」アクションを実行するというもの。
これを設定しておくと、帰宅のたびに手動で操作する手間がなくなります。
具体的には、以下のように設定します。
「実行条件」
ナビゲーション → 場所 → 自宅から任意の範囲
「アクション」
車両 → スライディングルーフ → 閉じる
車両 → ルーフブラインド → 閉じる
これで、帰宅すると自動でルーフとブラインドが閉じてくれます。 めでたしめでたし。
……と思いきや、実際にはうまく作動しないケースがありました。
ルーティーン失敗とその原因
上記の設定で、なぜかルーティーン実行中に画面に「失敗」と表示され、途中で止まってしまうことがありました。
具体的には、以下のような挙動です。
ルーフがチルトアップしている状態で帰宅、ルーティーン起動
→ ルーフは閉じるが、ブラインドを閉じるアクションに失敗
→ 画面には「ルーフが閉じているときだけ実行できます」と表示
一方で、
ルーフが閉じている状態で帰宅、ルーティーン起動
→ 問題なくブラインドが閉まる
つまりこういうことです。
アレクサの定型アクション機能であれば、 アクションAを実行 → アクションAを完了 → アクションBを実行 という挙動をします。
しかしMBUXのルーティーン機能では、 アクションAを実行 → 車両がまだアクションAの実行中でも、完了を待たずにすぐにアクションBを実行 という挙動になっているわけですね。
ゆえに、ルーフを閉める → ブラインドを閉める という順番で登録していたとしても、ルーフを閉め終わらないうちにブラインドを閉める指示が飛んでしまい、ルーフが閉まっていないからできませんと失敗扱いになるというわけです。
アレクサなら「指定の秒数待機する」というアクションが用意されていますから、それを挟めばいいだけなのですが、MBUXにはそういったアクションはありません。
失敗しない設定はこう
結論から言うと、2つのルーティーンに分けて、時間差で実行すればいいのです。
【ルーティーン1】
「実行条件」:自宅から半径150m
「アクション」:スライディングルーフを閉じる
【ルーティーン2】
「実行条件」:自宅から半径50m
「アクション」:ルーフブラインドを閉じる
このようにすれば、立て続けに2つのルーティーンが起動する形で、ルーフが開いている状態からでもルーフとブラインドの両方を閉めることができます。
機能拡張に期待したい
ルーティーン機能はもっといろいろな条件やアクションが追加されれば、さらに使い勝手が良くなる機能ですが、現在選べる条件やアクションはあと一歩というか、痒いところに手が届かない感じです。
たとえば「運転開始から30分経過したらシートキネティクスを開始する」とか、「毎日違う色のアンビエントライトにランダムで変更する」といった設定ができるといいのですが、現在のルーティーン機能では対応していません。
今後、ソフトウェアアップデートで機能拡張されるといいですね。
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