メルセデス・ベンツ Cクラス(W206) 試乗インプレッション

自動車/クルマ
画像はメルセデス・ベンツ日本公式サイトより

こんにちは、あきほ(@arkeninger)です。

タイトルの通り、メルセデス・ベンツ Cクラスの試乗レポートです。

今乗っている車はマツダのアテンザというセダンです。

とても気に入っていますが、そろそろ10万キロを迎えることもあり、数年以内に買い替えのタイミングが来そうです。その候補車検討というわけです。

アテンザを購入した頃よりは予算も大きく取れますし、次はプレミアムな車がいいなという思いもあり、今回はメルセデス・ベンツのCクラスを見てきました。

アテンザが基準になってしまう部分はあるかと思いますが、いちユーザーの素直な感想を書いておきます。

見てきたのはCクラス セダン、W206型です。

エクステリアが美しいなんていうのは他の人のブログやメディアで散々取り上げられているでしょうから、あえて詳しくは書きませんが……。

いざ間近でじっくりと眺めると、街ですれ違う時よりも存在感を感じます。

最近の車のデザインは実物よりも大きく見せる押し出しの強いデザインが多いですが、Cクラスはむしろ実物よりもコンパクトに見える端正なデザインだと感じます。その分、近づいてみると意外に大きく感じるのですね。

ドアを開けようとしてドアハンドルを握ると、その握りが太いのに気付きました。アテンザよりはひとまわり太いです。メルセデスはみんなこうなんでしょうか。メルセデスが太いのか、マツダが細いのかは分かりませんが、ドアハンドルをしっかり握れるのでドアは開けやすいです。

ドアを開けて乗り込みます。アテンザの最低地上高160mmに対してCクラスは110mmと低いですが、乗り込みはあまり変わらない感覚です。

運転席はさすがの質感です。

硬質なインテリアは目に映るものすべてに高級感があり、キラキラした良いものに囲まれているという感覚です。

視界より下を覗き込めばハードプラ素材なども使われているのですが、常に目にする箇所には一切使われていません。これは魅せ方が上手いなと感じます。デザイン力の高さを伺わせます。

高級車というのはこうあるべきなんだな、と納得させられる思いでした。

ドライビングポジションを取ると、ちゃんとステアリングが体の正面、中央に来ます。

国産車でも指1〜2本分くらいズレている車も多いですから、もともと左ハンドルが前提の車というのを踏まえれば、ここは花丸でしょう。

同じくオルガン式のアクセルペダルも、右足を自然に伸ばした位置にあります。

一方で左足は窮屈です。センタートンネルの張り出しが大きいので、左足の自由度は高くありません。この辺りは明確にアテンザの方が余裕があります。まあアテンザは前輪駆動ですから、そりゃあそうだという話でもあります。

ディーラーで実車を見るまでに気になっていた後部座席の広さについては、思っていたよりもかなり広いです。

後輪駆動ですしキャビン自体がアテンザよりも小さいので、後席の広さが犠牲になってしまっているのではと心配でしたが、身長165cmの僕のドライビングポジションに合わせると、結構余裕があります。なんならアテンザとそれほど変わらないくらいかもしれません。

ただ、シートの形状がやや圧迫感を感じさせないこともないのですが……そこはサンルーフの開放感でカバーもできますね。

それからもうひとつ。

車体の大きさに対してキャビン内の空間はややタイトに感じます。特に横方向にはアテンザと比べると余裕が少なく、肩や膝の周りはタイトに感じやすいです。

車幅ではアテンザの1840mmに対してCクラスが1820mmと、2cmしか変わりませんが、キャビン内の横幅は明らかにそれ以上の差があります。

ただその分ボディ剛性は高いです。かなりガッチリしていると感じました。

ドアを閉めた時の音からもそう感じますが、何よりもその際のボディの振動が、こう、なんて言うんでしょう、硬いんですよね。ドアに振動が響く感じとか、衝撃で車体が揺れる感じがほとんどなくて、頑丈さを窺わせます。

その後で展示してあったAクラスで試したところ、Cクラスと比べるとやや剛性が低い感触でした。

やはり高いものは高い分だけ優れているのですね。メルセデスに関してはそれが当てはまるようです。

Cクラスの剛性の高さは僕としてはかなりポイントが高かったです。

試乗中も車体にはひとつの塊としての一体感がありましたし、帰り道にアテンザに戻った時に「緩いな」と思ってしまうほどでした。別にアテンザがそんなに緩いわけではないと思うんですけどね。

スイッチを押して電源を入れると、目の前のメーターディスプレイが点きます。とても表示が綺麗で滑らか、高精細なディスプレイです。このメーターディスプレイは写真で見るよりも実物の方が大きく感じます。当然、内容も大きく表示されるので、運転中にも見やすいです。

さあ、ここからは実際に走ってみて感じたことを書きます。ちなみに試乗したモデルはC220dで、AMGライン付き、リアステアは付いていない車両です。

いざ走り出してみると、ボンネットがしっかり見えているので車体感覚が掴みやすいことに気付きます。狭い道でも取りまわしやすいのはもちろん、高速などを巡航している時も、ボンネットが見えていると安心感があるんですよね。

リアステアが付いていない車両でしたが、それでもかなりよく曲がります。カタログによる最小回転半径は確か5.3mだったような。アテンザの5.6mよりも30cmも小さいです。これも後輪駆動ならではですね。

実際、試乗を始めてディーラーから公道へ出て行くまさにそのポイントが、Cクラスでは全く気になりませんでしたが、試乗を終えて帰宅する際のアテンザでは信号待ちで停止している反対車線の車に擦りそうで、かなり気を遣いました。

ISGはとても自然です。素人が少し試乗した程度ではモーターとエンジンの切り替わりも分からないほどでした。全く意識せず、ごく普通に乗れてしまいます。

それでいて加速はとても滑らかです。

巡航速度を上げようとしても変速ショックを感じることがなく、とてもジェントルです。すいすい加速していけました。変速時もISGのアシストが入っているのかもしれません。

また、追い越しをするような場面ではしっかり鋭く加速してくれます。そのあたりはディーゼルの大トルクの恩恵が大きいかもしれません。

乗り心地については、まず前席に関してはかなり良いです。スポーツセダンらしく路面の状況はしっかり伝えてくるのですが、凸凹や道路の継ぎ目を通過した時の振動はすっかり角が取れていて、お腹に響いてくる不快感がありません。エンジン縦置きの後輪駆動ならではの、ガッチリしたサスペンションのおかげでしょうか。前席の乗り心地はアテンザよりも明確に上です。

一方で後席については、アテンザに分があります。

後席に座っていた妻曰く、アテンザの方が乗り心地が良かったそうで……。

サスペンションはCクラスの方がお金がかかっているはずなのに、なんでだろうと疑問でした。

後で気付きましたが、後席のシートと後輪の位置関係が、アテンザの方がCクラスよりも遠いんですね。

Cクラスはタイヤの上に被るようにシートが位置していますが、アテンザではタイヤはシートのしっかり後ろです。その差ではないかと思います。

ここはボディサイズの差が出る部分でしたね。

まあ、Cクラスはドライバー優先の車ですからね。少なくとも前席の乗員は、グランドツーリングを始終快適に楽しめるでしょう。

さて、ここまでCクラスの素人なりのインプレッションを書いてきました。

デザインがとても好みということもあって、自分にとっては非常に魅力的な一台です。正直Eクラスよりデザインは好きです。

メルセデスの営業さんも「値段以外はとても良い車です」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。

値段はオプション込みでちょうど1,000万円。

実際にCクラスを買うかどうかはまだ分かりませんし、少なくとも今はまだもう少しアテンザに乗っていたいと思っています。

ただ、買い替えの時期が来るまでに頑張って貯金したいと思わせてくれる車でした。

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