【長期レビュー】メルセデス・ベンツ Cクラス セダン(C220d)の納車から半年(Cクラス/W206)

Cクラスのエクステリア 自動車/クルマ

Cクラスが納車されて半年になります。今回は半年で感じたことを長期レビューという形で書いてみたいと思います。

威風堂々とした貴族の若旦那

まず外観ですが、半年経っても見飽きないデザインです。流行りを追うことに始終するのではない、普遍的な美しさや調和の取れたバランスの良さを感じます。

フロントマスクはよく整っていて、キリっとしていて、精悍な顔つきです。サイドはプロポーションの良さがはっきりと分かり、リアに至るまで統一感があります。

個人的には、若くてハンサムな貴族のようなイメージを抱いています。貴族の階級で言えば、Sクラスが公爵・侯爵、Eクラスが伯爵、Cクラスが子爵、Aクラスが男爵といったところでしょうか。

Cクラスは立ち位置的にもデザイン的にも、メルセデスの序列の中にあっては比較的若いというか、上のクラスと比べると明確にスポーティな印象を持っています。

一方で同セグメントに属する他ブランドのライバル車たちと比べると、威厳のようなものを感じる……メルセデスはそういうデザインが本当に上手です。全幅や全長といったボディサイズで言えばライバルたちの方が大きいことも多いのですが、それでも比べて見るとCクラスの方に堂々としたものを感じるのは、不思議ですよね。

スッキリとまとまっていながらも存在感があって、「やりすぎ」な個所を探すのが難しいです。どこを見ても統一感と一体感があります。心地よく感じる曲面や、ハリのある線が控えめに入っているのも上品です。乗り込もうと車に近づいていくとき、何度見ても……半年たった今でも、その端正な佇まいに思わず感心します。

ドイツ車のど真ん中

乗り込むと、ボディは非常に堅牢で、金庫の中にいるような安心感があります。はじめ前車から乗り換えた際、最も所有満足感を感じたポイントはこの剛性の高さです。いいクルマに乗っているな、ということを直感的に感じさせてくれます。走らせても、ミシリともいいません。

それでいて走りは快適そのもの。路面へのあたりは柔らかく、段差のひとつひとつを丁寧に乗り越えていきます。路面の凹凸やうねりに対しては、ゆらりと船のように穏やかにいなしてくれます。身体に直接ズシンと来る振動などというものは、全くありません。

いかにもドイツ車らしく、ハイレベルな性能が高い次元でまとまっていることを感じさせてくれます。

高速域になると俄然クルマが活き活きしだすのも、ドイツ車らしい特徴です。

高速道路やバイパスではとても気持ちよく走れます。スピードを上げても一切破綻しません。車体全体の一体感を保ったまま、路面をしっかりと捉えて駆け抜けてくれます。

また、ワインディングを走らせても、何の苦もなくというか、大したことではないと言うかのように、変哲なくコーナーをクリアしていきます。クルマに負荷を掛けているという感じが全くせず、軽々とこなします。

この限界を悟らせないポテンシャルの高さが、メルセデスの良さだと感じています。とにかく走らせて不安になることがない、クルマに対して不安や疑念を抱かせないだけの、充分な性能を持っています。

まあAMG C63の、あのモンスターみたいなパワートレインを積むこともできるシャシーですからね……。

基礎の部分を誤魔化さずにしっかりとお金をかけて、高い性能を担保しているというのも、ドイツ車っぽいところですね。もちろんそのぶん高額にはなってしまうのですが……そこにはメルセデスの、自動車という製品を世界ではじめて作った「本物の自動車ブランド」として、廉価で低性能なものは作らないという矜持があるのかもしれませんね。

上品な振る舞い、快適なドライブ

また重要なのは、リアアクスルステアリング。つまり後輪操舵です。Cクラスではオプションで選択できます。後輪操舵は低速での小回りやレーンチェンジの安定性に寄与しますが、それだけでなく、ワインディングにおけるカーブや普通に交差点を曲がる時にも、その恩恵を感じ取れます。

それは、ロールの収束があっという間だということ。

カーブに伴って遠心力で車体が外側に引っ張られるロールの動きがないわけではないのですが、それが切っていたステアリングを戻すと同時に、意外なほど早く、ふわりと収まります。本来あるはずの揺さぶられ感が来ないというこの感覚は非常に新鮮でした。その収まり方もまた上品で、「ピタッと」というより「ふわりと」「スッと」という表現が似合う感じです。

ロングドライブでは、とにかく身体が楽なのに気付きます。

身体に響く揺れがないからでしょうか? 同じ距離・同じ道を走っても、以前の車よりも明らかに疲れが少ないです。

ステアリングがロックtoロック2回転と、かなりクイックな設定になっていることも、操作量を減らすことに寄与していて、疲れを軽減する大きな要素だと感じます。こういうところでもスポーティネスと快適性を両立してきています。

メルセデスの真骨頂

納車時のCクラス(W206)サイドビュー斜め

W206型Cクラス登場時のキャッチコピーは「メルセデスの真骨頂」でした。

こうしてオーナーになって半年乗ってみると、ここまで書いたような総合力の高さこそが、「メルセデスの真骨頂」なのだと感じます。

どこを見てもよくできている。どんな走り方をしても軽々とこなす。

そういうところが、Cクラスの良さです。

決して安い買い物ではありませんが、満足感は非常に高いです。Cクラスを検討している人の参考になれば嬉しいです。

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