Cクラスに限りませんが、最近のメルセデスのモデルはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)という、いわゆるマイルドハイブリッド機構が搭載されています。
Cクラスに関して言えば、マイルドとは名ばかりで、200psというトルクを生み出すモーターなので、小型車のエンジンに相当するかそれ以上の実力を、モーターが単独で持っています。
そのISGの恩恵を最も感じる場面は、エンジンの始動時です。
ISGの力を使ってスルリとエンジンが回りだすので、セルを使用しません。
いわゆるエンジン着火音や振動が存在せず、停止状態からなんのガサツさもなしにエンジンが動き出します。
エンジンの始動時って、普通は大きな音と振動を伴って、ブルン!と一瞬回転数が上がったあと落ち着いて、それから回転数が安定するものですが、そのプロセスがありません。スルッと動き出し、安定する回転数まですぐに上がり、そのまま安定します。
これにより、ドライバー側としては、再始動時の鬱陶しさや煩わしさが激減……というか、ゼロになります。走行中にエンジンが止まっている、動いているということ自体それほど意識しなくなりますし、再始動時のショックが気になるからちょっとの時間ならエンジンを止めずに停止して……みたいなことを気にすることもなくなります。
「エンジン始動時には燃料を多く使用するから、短時間のアイドリングストップは逆に不経済」といったことも言われますが、ISGの場合、エンジン始動時に燃料を使わず、モーターの力で動き出すので、それも気にしなくてよくなります。
力強いだけでなく、快適性の向上にも非常に寄与しているマイルドハイブリッド機構です。
では、エンジンがかかったのが全く分からないレベルかというと「そういうときもあるが、分かるときもある」というのが僕の印象です。
アイドリングストップからスムーズに指導していくときの滑らかさは本当に驚くばかりで、高級車として理想的な振る舞いです。
一方で、徐行くらいのごく低速で動いているときにエンジンがかかったり止まったりを繰り返すような場面があると、振動は感じられます。
エンジン始動時の目立つ音や振動はないとはいえ、エンジンがかかった状態では(充分抑えられているとはいっても)振動そのものはあるわけで、全くない状態から振動がある状態への移行は発生します。それがギクシャク感として感じられてしまうことは、正直ないわけではありません。
そのような挙動をするのはドライブセレクトをEcoモードにした時なので、コンフォートモードにしている限りは大丈夫です。コンフォートの名は伊達じゃないですね。コンフォートモードが最もISGのうまみを引き出すことができると感じます。
逆に、Ecoモードでも別に毎回ギクシャクするわけじゃないので、全然気にならない人もいると思います。僕は気分で切り替えていることが多いです。
そもそも大前提として、ここまで書いたことは、ISGがもたらす圧倒的に大きなメリットを前にして、小さな小さな気になる点です。個人的には全然許容範囲です。
また、僕のCクラスはディーゼルモデルなので、ガソリンモデルよりも振動が大きく感じてしまうのかもしれません。
気になる人はディーラーでの試乗の際、Ecoモードを試してみて、もし低速域での挙動が気に入らないのであれば、より振動が小さく滑らかなガソリンモデルを検討するのもいいかもしれませんね。
コメント