僕が普段乗っているのはディーゼルエンジンを搭載したC220dというグレードですが、今回はガソリンエンジン搭載モデルであるC200に乗る機会がありましたので、ディーゼルと比べてどうかという視点で比較してみます。
C200はCクラス全体の中でもおそらく最も売れ筋のモデルではないでしょうか。まさにCクラスのど真ん中。
ガソリンか、ディーゼルかで迷っている人はご参考にどうぞ。
ディーゼル乗りから見た走りの印象
まず走り出して感じたのは「重い」という感覚です。
低速域でのトルクの太さはディーゼルエンジンの得意とするところであり、メルセデスのそれは非常に滑らかであることも手伝って、ゼロから交通の流れに乗るまでの加速がするするする〜〜っと、あっという間です。
ガソリンモデルでは、そんなディーゼルと比べると、20〜60km/hくらいの加速はやや控えめです。
もちろん絶対的な加速力が足りないというわけではありませんし、他の車種と比べて不満が出るような加速ではありません。ISGの働きもあり、充分な加速です。ただ、ディーゼルと比べてしまうと分が悪いです。
車両重量そのものはディーゼルの方が重いにもかかわらず「重い」という感想を抱いたのは、その低速トルクの差というわけです。
加速の仕方もガソリンとディーゼルでは違って感じます。
ガソリンモデルの方がエンジンの回転数を上げて加速するため、アクセルの踏み込みはやや深くなります。それに伴って抜けの良い快いエンジン音が響き、加速度をどんどん上げながらスピードを上げていきます。
低速域において、絶対的に速い加速はディーゼルの方のように思えるのですが、気持ちいい加速はどちらかと言えば、ガソリンの方かもしれません。ディーゼルよりも明確にスポーティです。
上では「重い」と書きましたが、それはあくまで走り出しだけの印象です。低速から高速まで全域にわたって全体的に軽快感があるのは、明確にガソリンモデルの方です。
後輪駆動ならではの、腰のあたりを後ろからぐいぐい押されるような感覚も、車両重量の軽いガソリンモデルの方が感じやすいように思えます。
この感覚や加速の気持ちよさが好きという人は、充分にガソリンモデルを選ぶ動機になると思います。
静けさ・滑らかさの印象
音がより小さいのはガソリンの方ですね。ただ、ディーゼルも別に大きな音が入ってくるわけではありません。正直、音楽を聴いている状態であれば、エンジン音はどちらも全然気になりません。
滑らかさにも同じことが言えます。
比較したときにより滑らかに感じるのはガソリンの方ですが、ディーゼルの方も別に粗雑な振動というわけではありません。
どちらも十分に「緻密」と言えるレベルの滑らかさを持ったエンジンです。
どちらも高級車としての合格点には余裕で届く、という前提のうえで、より「上質」な静けさや振動の少なさを求めるのであれば、ガソリンのC200のほうが要求に応えてくれるでしょう。
車格に対しての印象
上を見ればきりがないとはいえ、CクラスはプレミアムブランドのDセグメントセダン、それも後輪駆動という、それなりに堂々とした車格の車です。メルセデスの中でも、AクラスファミリーとCクラス以上との間には歴然とした差があると言われます。
そんな車格に対して、1.5Lターボ+ISGのエンジンは、性格が合っているでしょうか?
はっきり言って「余裕がもたらす重厚感」のようなものは、あまりないかな、という印象です。
さすがに1.5Lですしね……。動力性能としてはもちろん十分なのですが、パワートレーンを使いこなして、使い切って、それで十分にしているという感じがします。
「まだまだ爪を隠している」とか「秘めたパワーが眠っている」「軽々とこなす」といった印象は、C200からはあまり受けません。C220dではそうしたものを感じます。
逆を言えば、いまクルマがどの程度頑張っているかはC200のほうが把握しやすいです。何が起こっているかがわかりやすく、クルマとの対話感も強いです。
ガソリンは「使い切る喜び」
ディーゼルは「余裕を持つ喜び」
それぞれ違った楽しさがありますが、高級車に対して「余裕」を求めるならば、ディーゼルのほうが要求に応えてくれるでしょう。
どう選ぶのが良い?
キビキビと快い走りを求めるならC200。
余裕たっぷりの走りを求めるならC220d。
好みに合わせて、上記のように選ぶのが良いと思います。
僕自身はと言えば、ディーゼルにして正解だったなと感じています。
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