マツダ アテンザと走った8年3ヶ月・11万4千kmを振り返る(長期オーナーレビュー)

自動車/クルマ

アテンザを購入したのは2016年で、納車が2017年の1月でした。

これを書いている現在は2025年4月ですから、乗り出しから8年と3ヶ月が経過していることになります。

ざっくり10年近く乗ったと思っていましたが、数えてみるとそれより少し短かったですね。

次の車の納車を目前に控え、現在の総走行距離は113,823kmです。

納車まであと少し通勤などで走りますから、まあざっくり11万4千kmといったところでしょうか。

アテンザは僕が初めて、自分の車として購入した一台です。

当時からセダンの端正なスタイルが好きで、なかでもアテンザはとても格好良く見えていたので、ほとんど指名買いでした。

当時のマツダは魂動デザインの要素の中でも、とりわけネコ科の大型肉食獣をモチーフにした動きの表現や生命感を重視していました。

アテンザが追い越し車線をアップテンポで走る様子は、まさにチーターやジャガー、ライオンあたりが疾走する様子を想起させます。低く構え、後脚で地を蹴り、前脚を前に伸ばして獲物を追いかける姿です。

画像はチーター

アテンザは、購入すると行動範囲が広がる車だと思います。

この車のステアリングを握って、アクセルを踏んで、どこまでも走りたいと思わせる——ドライブが楽しくなる車です。

アテンザを購入してからというもの、西へ東へといろんなところに繰り返しドライブに行きました。

下道オンリーで1日で500kmを超えるようなドライブも何度もしました。

最近は自己紹介をする時に「趣味はドライブです」と言うようになりましたが、そうなったのは間違いなくこの車の影響です。

もちろん下道だけでなく、高速道路もたくさん走りました。特に所有期間の後半は子供が生まれ、小さいうちは夜になると車内で泣いてしまうこともあったので、早めの時間に帰宅するべく高速道路を走る機会が増えました。

空気抵抗の少ないセダンボディに加えてFFパッケージのうえ、Gベクタリングコントロールの恩恵もあって、直進安定性はとても高いアテンザですから、高速道路はとても楽でした。

ただし、購入当初は標準的だった6速ATは、2025年現在ではもう少し多段化してほしいと思ってしまいます。新東名高速道路の制限速度120km区間では、流れに乗って走るとエンジンがずっと唸っていて、非力感こそ感じないものの、軽々と余裕たっぷりに走るという感じでもありませんでした。

このあたりは、時代の流れだなあと感じます。僕の乗っていたGJ型アテンザはもともと2012年のデビューですからね。

また、アテンザはスポーツセダンらしくキビキビ走ることも得意でした。2.5Lの自然吸気ガソリンエンジンは素直に回り、アクセルを踏む動きの意図をしっかり読み取ってくれます。

加速感がちょうどよくて、過剰とも不足とも思うことはありませんでした。車格に対してちょうどいいサイズのエンジンです。高速道路でも軽々と120kmまで加速してくれます。

当時のマツダは他メーカーがダウンサイジングターボを推し進める中で「ライトサイジング」を謳っていました。つまり、適正なサイズのエンジンを積むのが最も良いというわけです。その良さは、こうしたドライバビリティに現れるのだと感じます。

また、アクセルだけでなくブレーキも、アテンザは優秀でした。

アクセルが踏んだ分だけ自然に加速するようなセッティングなのと同様に、ブレーキも踏んだ分だけ自然に減速するようなセッティングでした。

思ったよりも減速し過ぎてしまうとか、思ったよりも減速しないとか、そういうことは全然ありませんでした。

こうした車を運転すると、スポーティーというのはただ過剰にギュンギュン走るというのではなく、意のままに車を操る操作性や、ドライバーと車の一体感といったことも言うのだなあと納得させられます。

まさにマツダの言う「人馬一体」と言うことなのでしょう。アテンザの運転席に乗り込んでエンジンをかけると、まるで自分と神経が繋がっているかのように感じられ、手の指を動かしたり足を前に踏み出したりすることの延長線上であるかのように車を走らせることができます。

また、ホイールベースがFFにしては長めなので、そのことに由来する乗り心地の良さもありました。

アテンザはセダンとワゴンでホイールベースが違います。セダンの方が少し長いんです。ただ車体後方の形状が違うだけでなく、そんな作り分けまでしているあたり、マツダのこだわりが見て取れます。

ただし、スポーツセダンですから、足は硬めです。

デコボコした道は得意とは言えず、道によってはお腹の底に響くようなズシンズシンという振動が入ってくることがありました。そこに関しては、まあ仕方ない部分です。大きく重たいエンジンを支えるため、サスペンションは硬くならざるをえないでしょう。

一方で路面のうねりには強く、しなやかに足が動きます。

特に時速70キロくらいで巡航している時は安定感が増し、路面のうねりに対して確かな手応えをフィードバックしながら走ってくれます。

ただ、スピードが乗った状態でカーブに差し掛かった際、少しラフにステアリングを切ると、フロントはグイと曲がっても、リアが捲れ上がるような動きが出ることがありました。

やはりフロントベビーなのでしょう。こうした局面では一体感が感じにくいこともありました。

普段は後ろを引きずって走るような感覚になることは少ないのですが、こうしたシーンではFFの特性が出てしまいやすかったようです。

逆を言えば、ジェントルに走っている限りそうした破綻は起こらないとも取ることができます。

また特筆しておくと、こうした現象は特に乗車人数も少なく、荷物も積んでいないような場面で見られました。

逆にトランクに荷物を満載にしている時などはしっかり後輪が使え、運転フィールが向上したように感じられました。僕のアテンザはFFですが、ひょっとしたらAWDモデルはいつもそんな感じに上質なのかもしれません。

一方で、カーブからの脱出は素晴らしく気持ちいいです。

カーブ後半からアクセルを踏み増して加速しながら駆け抜けると、意図した通りにビシッと決まったラインをトレースしながら、安定した挙動で、実に気持ちの良い加速を見せます。ワインディングではカーブをひらりひらりと曲がるたびにスピードを上げるという走り方が自然と決まります。

前述のとおり、調子に乗ってブレーキが不足した状態でカーブに突っ込まなければ、ですが。

そんなわけで、8年も乗っていると目につくところが皆無というわけにはいきませんが、それでもとても良い車でした。毎日ステアリングを握るのが楽しくて、もっと走りたくなる、ドライブが好きになる車でした。セダンってやっぱり良いなと思わせてくれる車でした。

残念ながらアテンザ/MAZDA6の名前で新型は開発されず、すでに販売終了してしまっているので、もう新車ではアテンザ/MAZDA6に乗ることはできません。

でも、たとえば中古で検討している人がいたら、おすすめですよと言ってあげたいです。

アテンザに限らず、最近はセダンが減りましたよね。

特にアテンザのような国産でアッパーミドルクラスのセダンはもうほとんど絶滅状態です。

ちょっと寂しいですね。そういうのが好きな人はレクサスか、さもなければBMW、メルセデスといった輸入車に行くしかない状況です。

それでもマツダは国産メーカーのなかでは最後までセダンにこだわってくれるのではないかと、淡い期待も持っています。また10年後くらいに次の車を検討する時には、候補にできる車があるといいなと思っています。

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