ハードボイルドでクラシック、かつオールドスクールな車のボディタイプと言えばセダンです。
最近は次々とセダンの車種が絶版になり、輸入車プレミアムブランドを除くと、本当に選択肢が少なくなってしまいました。
とはいえ輸入車プレミアムブランドではまだまだセダンは主戦場のひとつですし、僕のようにセダンが好きな人というのは一定数います。
ボディタイプの主流がSUVになってしまった今、それでもなおセダンが魅力を放っているのは、なぜなのでしょうか。
荷物がたくさん乗るというわけではありません。
でも、それで困ることはありません。
趣味などにもよるでしょうが、事業用車ならともかく自家用車で荷物を常に満載にすることはあまりないでしょう。
あるとすれば、引越しの時に中型の家具などを積み込みたい場合くらいでしょうか……セダンでも後席を倒せば充分対応できます。そもそも、その車を所有している数年の間に何回そういう機会があるかという話です。1回とか2回であれば、その時は軽トラでも借りることにして、毎日乗る車はもっと違う観点で選びたくなります。
乗員がたくさん乗れるわけでもないですが、これも同じことですね。家族構成にもよるでしょうが、6人以上乗る必要が生じたらミニバンを借りる、でもいいわけです。ちなみに僕は免許を取ってから15年くらい経ちますが、その必要はまだ1回しか経験していません。
車、特に自家用車を改めて考えてみましょう。
それは長距離を移動するために必要な道具です。
長距離の移動には、快適さが求められます。また、車として走行するにあたっては安定して速く走れる運動性能もなければいけません。
セダンというボディタイプはこの2つの要素を満たしています。
まず快適性ですが、荷物を運ぶための車ではなく、乗員を運ぶための車という前提で考えれば、荷室(トランク)と乗員室はしっかり分かれているのが望ましいですよね。
安定性については、重心が低く、空力特性にも優れた形状なので、当然走行時の安定性が増します。
これはそのまま運転の楽しさにも繋がる部分です。運転の楽しさが必要なければ、最も乗員のためになる車はミニバンでしょう。後席の乗員のために、ですが。
そうではなく、ドライバー自身も運転が楽しめる、運転のしがいのある車となると、やはりセダンということになります。
つまり、
- ドライバー自身を含めた乗員のための車
- 基本性能が高い車
という2点を満たすことこそが、セダンの魅力というわけです。これって、車としての本質と言ってもいいですよね。
だからこそ輸入車プレミアムブランドなどでは今でもセダンがよく売れているわけですね。
逆に言えば、どんな場面にも一台で対応できる多目的性とか、多機能さみたいなものはセダンは苦手です。
セダンは多機能なのではなく、高機能。
多機能さは流行りのSUVの方が上でしょう。
それでもセダンに魅力を感じるのは、そのカタチに高機能さを垣間見るからではないでしょうか。
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